現場進捗状況①
晴天に恵まれ、順調に現場は進んでおります。今回は色々とコアな内容を書いてみたいと思います。
住宅瑕疵担保履行法。建設会社は建てて10年間、『雨水の侵入を防止する部分。』と『構造耐力上主要な部分。』については、無償保証の責任があります。しかし、10年間の間に建てた建設会社が倒産した場合は、お客様は自己負担で直さなければならなくなります。耐震偽装事件の時にこれが非常に問題となりました。家のローンは払わなければならないのに、その家には住めず、建てた建設会社も倒産してる。
その為、住宅を新築する際には瑕疵担保保険に入るのが必須となりました。建設会社が倒産しても、保険で対応できるって仕組みです。この法律は建設業者や宅健業者などが対象、大工さんや建設業許可を受けてない建設業者は任意となります。弊社もまだ許可がもらえないので、任意。勿論弊社は瑕疵担保保険に加入してます。
保険に入るためには、第3者の検査に合格しないといけません。どんな家でも補償するって訳ではないんです。基礎・躯体検査の合格が必須となります。
基礎・躯体共に問題なく合格。
今回も瓦葺き。瓦・タイルは建築技術者のレベルがわかる部分です。瓦・タイルは割付を考え割付図を製作します。小さい端材が入らない様に建てる前から寸法を検討する作業です、因みに割付図は施工図と言って業者さんの為の図面です。施工図掛けない技術者も多く、近年ではその割合は大きくなっております。同業が見ると上手い下手はわかります。
割付け図を書くと何故いいのか?。まず、一定間隔で綺麗に割り付けられてて見た目が綺麗。切断する作業が減るので、粉塵も減り現場周辺への迷惑を減らせます。切断作業が無くなるので、作業も早く廃材も減る。
建築工事は完成したら、どんなものを使用しているか見えなくなるって欠点があります。どんな工事をしているのかも・・・建築の闇の部分です。
右の写真。屋根の先端部、ここには軒樋が付くため常時湿気が溜まります。その為ここが一番腐りやすく問題の起こる部分になります。屋根下地は板金で被覆し、樹脂製の人工木で下地を入れます。人工木にはわかりにくいですが水抜き穴がついております。樹脂製なので腐らない。
建物の断熱は、開口部と外壁の断熱性能を上げることが何より重要となります。上の写真は外壁から雨水が侵入した時に内部に入らないための防湿シートと言われるものです。それに遮熱性能のあるものを弊社は使用しております。一般的な防湿シートに比べると倍の値段ですが、そもそも高い物ではないのでそこまでのコストアップにはなりません。実物を見ると丈夫さは断然良い、解体現場で昔の防湿シートを見る機会があるのですが、内壁なのに劣化してボロボロになってたりします。
こちらも外壁を張ってしまうと見えなくなる隠蔽部となります。古い建物から材料を検討するって事も大切、安いだけで建材を選んでしまうと先々問題となります。
金物はワッシャー付きのパクナットを全てに使用してます。テレビでナットが手で回り手抜き工事だなんて言ってますが、最初はしっかりとナットは締め付けてあるんです。何故手で回る緩むのか、木が乾燥して縮むからです。以前は増し締めと言って建てて2年後くらいに緩んだナットを閉めなおしていましたが、この金具なら増し締めは要りません。増し締めできる部分はいいけど出来ない部分もありますからね。
今回は建てた後からでは確認できない部分について、幾つか掻い摘んで書いてみました。お客様も結構ご覧になってるそうなので。