建築に使用する木材には含水率の制限があります。構造材は20%以下造作材は15%以下と決まっております。含水率が下がるほど、強度も上がり変形も少なくなるからです。今回は内装材の含水率についての私の考えを書いてみたいと思います。

マルサ工業さんのもみの木の内装材はちょっと変わった加工方法が何点か有るのですが、その中でも最も重要な事が自然乾燥です。

内装材の乾燥方法はKD材と言われる機械乾燥が圧倒的に多いんです。機械乾燥とは、高温(100℃以上)の窯に木材をを入れて強制的に乾燥させる工法です。メリットは短期間で乾燥するので手間もかからず費用を抑えられます。木材の変形も非常に少なくなります。余談ですがKD材はKiln Dryの略でKilnは窯って意味だそうです、機械Dryではありません(笑)。機械乾燥は人工乾燥と言われる事もあります。

弊社の使ってるもみの木の内装材はAD材と呼ばれる自然乾燥木材です。略は当然Air Dryですね。KD材と違って手間も期間も掛り非効率な乾燥方法です。マルサ工業さんの工場では、時期によっては乾燥に半年以上掛る時も有るそうです。

何故こんなに手間を掛けて自然乾燥にしてるか、理由は明快です。機械乾燥では、もみの木を使う意味が無くなるからです。木材は高温で乾燥させると、細胞膜まで破壊して木の成分まで抜けてしまいます。この木の成分が、重要なんです。成分が抜けると、殺菌・抗菌・消臭などの効果が得られなくなります。したがって機械乾燥のもみの木の内装材は使う意味が無いって事になります。

この作業が一番の重労働だそうで、社員総出の作業だそうです。いつか体感しに行ってみようかな。因みに巨大扇風機は乾燥の為ではなく落とし切れてない木の粉を飛ばす為で、1週間程度で撤去し乾燥させるそうです。木の粉は乾燥中にカビの原因になるそうで、欧州樅を1枚1枚大事に加工してるからですね。鹿児島の会社さんなのに小林に工場が有るのは、小林市が昔もみの製材所が多かったからだそうです。

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もみの木ハウス・みやざき 馬原 崇

馬原 崇

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