Y様邸 工事①
念願の葵住宅では第1棟目のもみの木の家、新築。グリーン化事業や区画整理の関係で着工まで有り余るくらい時間はあります。その間に色々と検討。
今回初の大きな挑戦は、基礎断熱に剛床工法。
一般的には床断熱が多いんです、普段目にしない部分なので?な方も多いと思います。床の下に断熱材を設置して、基礎と土台の間には通気パッキンを設置して基礎全体から通気を確保する工法です。昔は基礎に通気口を開けていましたが、基礎パッキンのお陰で通気口は不要となる工法です。通気口を開けていた基礎より基礎下の通気量は3倍で基礎の断面欠損も無いので耐震性が向上します。
基礎パッキン工法でもいいとは思いますが、何故基礎断熱に挑戦したか。床断熱は通気が良すぎる為に冬場寒い、全ての床下に断熱材を施工し省エネ住宅の断熱材は高性能で厚さも厚くなるので結構コストもかかる・・・基礎断熱やってみよう。
ここで気になるところが一つ、基礎断熱は基礎した空間を室内と同じと考える為、外周部の基礎パッキンは気密式を使用します。基礎のコンクリートは硬化した後も大量の水を含んでおり、それが少しずつ基礎内で蒸発するので高湿度となります。風が入らずに多湿となると心配なのがカビですよね。コンクリートの水は20年以上も蒸発するんです、だからコンクリート造のマンションなどではカビの問題が絶えない訳です。
対策として床にガラリを複数設置し、空気を対流させます。もみの木の家は一般的なお宅より空気中の雑菌やカビは少ないので対策としては十分だと思います。結構心配性な私はそれでも大丈夫だろうかと気になります、工法としてはこれでOK。
でも、まだちょっと気になる・・・付加設備として通気口を設置、この通気口は工事中や温暖な時期は解放し通気を直接取り入れ、寒い時期は断熱材の入った中ふたを閉めれば寒い外気の流入を防げる一品。断面欠損に雨水の侵入が気になりますが、設置は2か所荷重の掛かる部分は避けるって事で自分を納得させます。雨水は立ち上がりと外部GLの関係から浸水の心配は無いと確認。自分を納得出来ない挑戦はしません、当たり前のことですが(笑)。
以前からの取り組みたかった剛床工法。普通の床下地材は根太と12ミリの合板の上にもみの木の床材を施工します。剛床工法は土台の上に直に24ミリ以上の合板を施工する工法で、弊社はより厚い28ミリの合板を施工。
何が良いのか、水平方向の剛性が上がり地震などの揺れに強くなります。また、当初から床があるので工事する上で安全。建設業の安全第一は常に設計時に意識するべき点です。大工さんはもちろん見学されるお施主様にも安全です。デメリットは雨に濡らせない(これは当たり前)コストアップにつながる…施工性が上がるのでそれほど迷うコストアップにはならないだろう。
より良い家造りの為には現状維持では無く工法も日々進化させなければなりません、次回は何を取り入れましょうかね…候補は決まってます。制震ダンパー。